復興大学県民講座 開講記念シンポジウム「~この地で復興を 考え・学ぼう~」を6月27日(水)、仙台ガーデンパレスにて行いました。
本シンポジウム、開会の挨拶では、復興大学事業への期待について、学都仙台コンソーシアム 副会長 (東北文化学園大学 学長)土屋 滋 氏より、御挨拶を頂きました。
基調講演では宮城学院女子大学 学長 (学都コンソーシアム会長)平川 新 氏より、「災害の歴史から学ぶこと」と題し、人類がたどった自然との向き合い方から、人々がどのように過去の災害を乗り越えてきたか、また自然の地形を活かしたまちづくりについての先人の知恵を、歴史学の視点からの人々の学びや教訓、そして次世代のまちづくりへの考え方について、御講演を頂きました。講演では家庭や地域、学校教育のなかで、過去の経験を学び「生きるための判断力」を身につけることが強調され、『「避難することをためらわない文化」の普及と定着を』、『「逃げて損した」ではなく、「何もなくてよかった」という理解』が重要であることが示されました。最後に、温暖化による豪雨や河川氾濫等の災害、また地震の頻発などが今後も予想されることから、災害が起こってからではなく、平時からの災害への備えに対する意識の共有、声かげなどの地域文化の醸成が必要であり、人材育成について地域や大学を含めその取組みが重要であるとの締めくくりでした。
続いての基調講演では、宮城県建築住宅センター 顧問 三部 佳英 氏より、「復興まちづくり、住宅再建から見えること」と題し、復興の現状を詳細なデータと共に振り返り、岩手から福島に至る各地域のまちづくりの取組み、住宅再建から見える課題について、御講演をいただきました。
講演では復興の現状を まちづくり、住宅、防潮堤、仕組み、人・関係、という項目からそれぞれの課題検証がなされ、特に仕組みづくりの観点からは、「生活の復興」「産業の復興」「インフラの復興」のバランスが重要であるとの考えが示されました。
最後に「ともに復興を実現し、地域の発展を目指しましょう。」と締めくくられ、今後も共に寄り添うまちづくりについて、強い思いを共有する場となりました。
閉会として学都仙台コンソーシアム復興大学 部会長 (東北工業大学 副学長)石川 善美より、復興大学の取組みが発展的な地域復興への貢献となるべく努力をしてまいりたいという思いが述べられ、本シンポジウムは終了しました。
復興大学県民講座は11月まで続きます。今後も復興のための一助として、本事業が活かされます様努力をしていきたいと思います。