震災後の福島における人口移動をテーマに講義が行われました。人口統計データを基に人口動態モデルを紐解くと、家族の一部、特に父親層である成人男性が単身で福島に残ったまま仕事を続けるケースが多く、その家族は県外や内陸部へ避難する傾向であることが述べられ、福島では同じ被災地である宮城や岩手よりも、上記のようなケースが多いことがわかりました。そしてそのような家族には交通手段の支援が必要であり、震災後福島の一部地域の被災者を対象に高速道路を無料にした施策について、その有効性を支持する仮説が成り立つのではないかというお話がなされました。
また、こういった家族の分断が起こってしまっていることに対する支援はどうあるべきか、地域コミュニティの基盤は子どもであり、子どもがいなくなった地域において数世代先にまで影響を及ぼすような課題が残された点について投げかけがなされ、講義は締めくくられました。