熊本地震のメカニズムの話から始まり、揺れの大きさを左右するのは表層地盤であり、それにより地震波が増幅されることや、地震動と建物の共振現象についての話がありました。地震を起こす活断層(2000以上)のいろいろな例(岐阜県、近畿地方、東北地方)の説明、仙台・長町-利府線断層帯の話、20万年前の青葉山が広瀬川の河原だったのが断層によって隆起したという話、市内に残る断層の紹介など興味深いものでした。また、長町-利府線断層帯による地震の予測図が紹介され、地下の震源により揺れる地域は異なるという話がありました。内陸地震による斜面崩壊の危険性とその予測や、活断層の断層のずれによる建物の被害、長町-利府線断層帯の特徴の説明があり、地震のうち内陸地震のハザードがあまり国民に伝わっていない実情や、今後の東北の地震を考える上で重要なのは地震の連鎖の危険性があるという点であるとの指摘がありました。今後、東日本大震災による大地の動きとそれによって生じる地震に注視する必要があり、アウターライズ地震とそれによる津波の危険性を指摘していた点が、多くの受講者の関心を引いたようでありました。