活動報告 活動報告
復興人材育成教育

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復興大学現場実習③ 仙台市・荒浜コースを実施しました。

更新日:2018.10.18

学都仙台コンソーシアムの復興大学「復興人材育成教育事業」現場実習第三回目、仙台市・荒浜コースを10月12日(金)、学生・社会人29名により実施しました。

今回は、モデレーター 中島 敏 講師(東北工業大学 ライフデザイン学部 安全安心生活デザイン学科 教授)の案内・説明のもと、仙台市荒浜地区を見学。荒浜地区は、震災以前から豊かな自然環境と共に農業・漁業が営まれ、近年では仙台のベッドタウンとしても多くの方が暮らす街として、歴史ある文化・コミュニティが形成された地区でした。今回は荒浜地区の豊かな自然、暮らしの背景を踏まえ、以下の施設を見学、学習しました。

3.11メモリアル交流館では、八巻館長より被災を受ける以前の荒浜地区の紹介から、被災当時の様子、高低差を表現した模型パネル、時系列での震災時の状況パネルにより、詳細な震災被害の説明を受けました。

海からの距離感覚、仙台市中心部からの高低差、東部道路との位置関係も判りやすく、視覚的、直感的な津波被害の理解が得られ、また時系列パネルでは、7年間の復興への足取りを再確認することができました。

地下鉄東西線荒井駅と直結した本施設は明るく開放的で解りやすい、アクセスも便利なことから、今後も震災・復興の拠点震災の記憶を知る場重要な施設であることを確認しました。

メモリアル交流館

メモリアル交流館

メモリアル交流館

メモリアル交流館

次に、せんだい農業園芸センター「みどりの杜」にて、坂本所長より震災時の被災の状況、復旧活動について、そして復興に向けた再生事業への取組みを伺いました。園芸センターでは、かつてメイン施設の一つであった温室が津波により被災、再建に当たり新たな施設計画作りが求められたことがわかりました。

現在は“農と触れ合う交流拠点づくり”に力を入れており、本施設を核に「農と食のフロンティアの推進に向けた拠点施設づくり」、「市民が農と触れ合う場の提供」、「農業者の複合経営や6次化産業等の推進に向けた情報発信」の3点が拠点づくりの基本構想であることを伺いました。

将来は、農を中心に市民交流や生産販売活動へ向けた取組みを本格化することを目標に、農業者交流や、6次化支援に向け、新たな農業手法を取り入れた実験的な果樹栽培農園や野菜栽培施設の整備が進められております。

他にもハーブ園、バラ園、ビオトープ等の環境整備を行い、生物多様性についても仙台市と共に環境教育を実施するなどの活動を実施されています(野鳥や昆虫観察など)。

本施設では果樹もぎ取りや広い芝生の交流広場もあることから、今後もより多くの市民の皆様に対する施設利用の推進普及が目標という事です。是非多くの皆様に利用をしていただきたいと感じました。

せんだい農業園芸センター

せんだい農業園芸センター

せんだい農業園芸センター

せんだい農業園芸センター

最後に荒浜小学校、そして荒浜の居住制限地区について、モデレーターの中島教授の説明により見学を行いました。荒浜小学校での被災状況は、津波の激しさを物語る施設です。内部の壁や天井に残る波しぶきなどが現在も確認できるなど、震災当日の状況を詳細に伝えており、小学校では当時の避難状況を記録した映像や、避難所としての施設としての役割、地域住民の協力の様子などが展示され、震災時の苦労や努力が想像されます。

資料映像では、当時をしのぶ震災前の荒浜の豊かな暮らしの様子を伝える映像もあり、現在では、居住が制限され住まう事ができない荒浜地区での文化、農家や漁業者の暮らしを知ることができました。

荒浜コースの現場実習を振り返り、震災により失われた多くの暮らしが、現在は違う形で存続せざるを得ない状況、農業や漁業の生産活動をかつてと同様に取り戻せない現実を学び、今も懸命に復興と再生に取り組む多くの方の現状を知ることができました。

荒浜小学校

荒浜小学校

荒浜小学校

荒浜小学校

天井への波しぶきの痕跡

天井への波しぶきの痕跡

展示施設内映像資料見学

展示施設内映像資料見学

屋上から海を臨む

屋上から海を臨む

荒浜地区 居住制限地区の様子

荒浜地区 居住制限地区の様子

荒浜地区での現場実習は、仙台平野の津波被害を伝える重要な場であることを再確認し、改めて、津波被災の甚大さ、震災から7年を経た現在の暮らしへの変化を実感できる現場実習となりました。

各施設では、受講生から平野部の津波被害への質問や、農業への取組みへの質問が飛び交い、活発な意見交換を持つことができました。

身近な場所の津波被災の現状、復旧復興の道程を再確認し、改めて発展期の復興とはどうあるべきか、一同が考える機会となりました。

見学先

3.11メモリアル交流館(説明者 館長 八巻 寿文氏)
せんだい農業園芸センター みどりの杜(説明者 所長 坂本 邦雄氏)
荒浜小学校・荒浜居住制限地区・荒浜海岸界隈(説明者 東北工業大学 教授 中島 敏)


今年度4回目の現場実習「名取・岩沼・山元・新地コース」は10月25日(木)を予定しております。
※現在募集は締め切らせて頂きました。


お申し込み、お問合せは、http://www.fukkou-daigaku.gakuto-sendai.jp/又は電話、メールで事務局までご連絡ください。
※今後の講座一覧や現場実習はサイト内に掲載されております。
電話番号 022-305-3818  メール メール

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