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復興人材育成教育

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平成30年度 県民講座(講座30)

更新日:2018.11.07

日時
11月3日(土)14:45~15:45
科目
復興の思想
担当講師
東北工業大学 元学長 沢田 康次 先生
平成30年度 県民講座(講座30)

「復興と東北の未来」というテーマの講義でした。

震災から10年を経過すると、政府の復興政策は他地域と横並びに。いかに地域の文化を生かした復興と経済発展を成し遂げるかを、戊辰戦争とアメリカ型市場経済を参照しながら構想する、という内容の講義でした。

江戸時代は東北地方をはじめ、全国的に封建制度に基づいて士工農のバランスが取れた、ある程度安定している体制にあった中で、中央の都合・慶喜の政策(大政奉還)によって戊辰戦争や地租改正などの急進的変革がおきたことは東北地方に住む民衆にとっては不条理・悲劇であったという話がありました。一方で、アヘン戦争や薩英戦争など列強諸国の脅威は明らかであるという国際的な状況を踏まえれば、日本の近代化は必須であり、他方、戊辰戦争は文字通り内戦なので、政府v.s.旧幕府という二項対立が成立するが、現在の東北と日本国家とには成立しない、両者はともに一枚岩ではないのではないかという論が展開されました。

先生の言うようにグローバル化が進展する中で地域のアイデンティティを表明し独自性を保っていくことは、永く豊かな生活を送るためには重要なことだと思います。だからこそ、「当たり前だから言わない」というのはもったいなく感じます。「若い人がAIと人間との差異を表明できない」というのもこれに当てはまりそうです。現代の若者に限らず、私たち含め(例えば東北出身の同級生が東北弁をためらい、いわゆる標準語を話そうとするように)西洋的近代化の影響をかなり受けているのかもしれません。