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復興人材育成教育

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令和元年度 県民講座 講座10「復興の社会学」

更新日:2019.7.17

日時
7月13日(土)13:30~14:30
担当講師
東北大学 災害科学国際研究所 奥村 誠 先生
テーマ
「津波避難における自動車と道路の使い方を考える」
令和元年度 県民講座 講座10「復興の社会学」 令和元年度 県民講座 講座10「復興の社会学」

自然災害からの避難行動として、地下街やビル・乗り物などの閉鎖空間からの避難について避難経路や誘導方法が研究されてきたが、東日本大震災では「多くの人が避難時、渋滞・混雑でうまく避難できなかった」ことが再認識されました。車利用を含めた津波避難計画の実情として亘理町の例を挙げ、道路ネットワーク上の混雑や渋滞の発生場所・所要時間などの交通工学的検討が必要であるとし、被災状況・被災地アンケートに基づく行動原理を仮定して、安全に避難できるかをシミュレーションで確認。また「数学的最適化」により、道路網を最大限うまく活用する方法についての提案をうかがいました。どのようにすれば目的がうまく達成でき、最もうまい道路の使い方ができるか計算し、「最短所要時間」となる配分方法の研究で 1)車のみでの移動 2)車と歩行者を分けて移動 3)歩行者が危険な区域にいる場合は、自動車を派遣して避難途中で乗車させる。と分け、それと同時に地図で避難方法を分け、避難所の駐車場面積や避難路の距離の確認も合わせた計算からわかったことは、「相乗りをして車輌数を少なくする」、「経路を分散して誘導する」、「避難所に逃げ込むのではなく危険場所から逃れる」とのことでした。現実的に1)から3)についての予想される効果と課題も述べられ、最後に今後考えていく事として自動車による津波避難に関しては「避難者に比べ、車/運転者が十分にある場合」「避難者に比べ、車/運転者が足りない場合」の2つの異なる課題を投げかけられ講義は終了しました。