巨大災害の経験を受けて防災だけではなく減災が注目されている中、人口の転出入については「ハザード:自然外 力の強さ」「暴露:人命、資産、土地利用、活動」「脆弱性:社会システムの弱さ」「回復力:回復の速さ」の関係を元に災害後の人口の流れが見えてくるといわれ、今回の東日本大震災時は転出・転入のピークは死亡のピークより大きく、福島にいたっては転出のピークはあるが転入のピークは見られないと分析されました。更に転出・転入人口の統計解析を計算式に当てはめられ、異なる規模の災害による転出入の影響をグラフ化されました。分析結果から自然災害多発国の日本において軽微な災害と深刻な災害では地域内の社会経済活動が停滞してしまうか回復するか、これらが人口減少に影響があることにより広域の支援が必要または不要であると判断できるのではないかということでした。
最後は前半の講座も含め質疑応答をしていただき、これから起こるであろう南海トラフ地震における避難方法についても提案を述べられており、引き続き災害に対する避難の備えと判断の大切さを感じることができました。
令和元年度 県民講座 講座11「復興の社会学」
更新日:2019.7.17
- 日時
- 7月13日(土)14:45~15:45
- 担当講師
- 東北大学 災害科学国際研究所 奥村 誠 先生
- テーマ
- 「災害後の人口の転出入とその特徴」