冒頭で2004年のスマトラ地震津波を例に挙げ、インドネシア沖地震で津波の犠牲者が多いのは、津波に対する知識の欠如であり、対して津波の知識も対策もある日本での東日本大震災時の避難行動を大川小学校、鵜住居小学校、戸倉小学校の三校で比較検討をしました。それぞれの学校での物理的環境・情報的環境・組織的状況・社会的状況と実際の避難行動を比較し、ハザードマップでは浸水区域になかった大川小学校では多くの犠牲者を出し、3校のうち最も危険区域にあった戸倉小学校が迅速で余裕を持った避難をすることが出来たことが分かりました。
また「学校に職員が勤務している時間に大地震が発生する確率は約22%であり、学校に誰もいない時間に発生する割合は78%である」ことから、東日本大震災において学校に職員がいて、児童生徒がその管理下にあったことは恵まれていたというお話がありました。
学校としての避難行動において、事前の避難訓練や、組織としての対応力、学校と地域との連携の重要性が確認できました。
講義後も、多くの受講生との質疑応答がありました。
令和元年度 県民講座 講座12「復興の社会学」
更新日:2019.7.30
- 日時
- 7月27日(土)13:30~14:30
- 担当講師
- 尚絅学院大学 特任教授 田中 重好 先生
- テーマ
- 「学校で子供をどう守るかる」