内部被ばく線量は、体内に摂取された放射性核種と放射線量が測定された後、当該各種の実行線量係数を用いて推定されますが、その「実効線量係数がどのような手順で求められたものなのか」について解説いただきました。
はじめに原子力災害に伴う環境の放射能汚染、放射能・放射線の種類および性質、外部被ばくと内部被ばくの違いなどの基礎知識を説明いただきました。
今回のテーマである実効線量係数とは、体内に摂取された放射性物質の量と被ばく線量の関係を表す係数のことを示すということ、その評価に必要な情報や係数算出の流れ、また、ICRP(国際放射線防護委員会)の様々なモデルを紹介されました。
吸入摂取の場合と、経口摂取の場合の実効線量係数の例では、線量係数は年齢が低いほど大きくなる傾向はあるが、被ばく線量は体内に摂取する量にも依存するため、年齢が低いほど被ばく線量が大きくなるとは限らないことが分かりました。
専門的で難しい内容でしたが、図やグラフを多く用いて基礎から説明していただき、今後の報道等の理解につながる知識を得ることが出来た講義となりました。