活動報告 活動報告
復興人材育成教育

復興人材育成教育

令和元年度 県民講座 講座22「復興の科学技術」

更新日:2019.9.20

日時
9月14日(土) 16:00~17:00
担当講師
東北工業大学 共通教育センター 教授 梅田 健太郎 先生
テーマ
「放射性ヨウ素、放射性セシウムによる内部被ばくの線量評価例と放射性核種の体内除去について」
令和元年度 県民講座 講座22「復興の科学技術」 令和元年度 県民講座 講座22「復興の科学技術」

講座21に続き、ヨウ素・セシウムによる内部被ばく線量の見積もりや、体内からの除去剤とその被ばく線量低減効果についてご紹介いただきました。

放射性ヨウ素が体内摂取されると10~30%が24時間で甲状腺は内部被ばくを受けるため、健康上の影響が懸念される場合、非放射性の安定ヨウ素剤を体内に投与し、放射性ヨウ素の甲状腺への取り込みを抑制して甲状腺の内部被ばく線量を低減する処置が行われること。その際甲状腺内の残留放射能の時間変化は、投与時間が遅くなるとともに安定ヨウ素剤を投与しない場合の時間変化に急激に近づき、投与の効果が急激に小さくなる傾向があることが分かりました。

セシウム137については、経口摂取されるとほぼ100%が胃腸管から血液に吸収されて、肝臓や全身の筋肉に蓄積され、体外に排出されるまでの間に内部被ばくを受けてしまうこと。セシウムの内部被ばくの軽減にプルシアンブルーの投与が効果的であることも紹介されました。

講義終了後には、受講生から、具体的な被ばくによる人体への影響、行政からの情報公開について等活発な質疑応答が行われました。

(参照)内部被ばく線量に関するICRP実効線量係数の最新版、「Compendium of Dose Coefficients based on ICRP Publication 60」は無償公開されています。
http://www.icrp.org/publication.asp?id=ICRP Publication 119