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復興人材育成教育

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令和元年度 県民講座 講座23「復興の思想」

更新日:2019.10.1

日時
9月28日(土) 13:30~14:30
担当講師
東北大学 災害科学国際研究所 教授 邑本 俊亮 先生
テーマ
「災害と人間の心理」
令和元年度 県民講座 講座23「復興の思想」 令和元年度 県民講座 講座23「復興の思想」

1コマ目はご自身の震災の日の様子の紹介から始まり、災害と人間の心理というテーマで4つの話題で話を進められました。

【パニック神話】本来パニックというものはどういうものを指すのかを説明され、災害時に人間が非論理的・反社会的になることは稀であるとした上で、災害情報を発信する側に必要なことは、根拠を示して避難指示を出すことであると述べられました。

【認知バイアス】まず、人間はリスクを受け取る際に無意識にバイアス(ゆがみ、偏り)をかけてしまう心理の説明がありました。そして災害時の認知バイアスとして、「ものごとを普通の範囲で理解したがる」という正常性、「自分だけは大丈夫」という楽観主義、「(自分に有利な情報だけを集める)だから大丈夫」という確証、「他人と同調していれば」という集団同調性があり、災害時にはこれら心理的安定を自己完結してしまうバイアスは振り払う心構えが必要であると述べられました。

【緊急時の心理と行動】緊急時の認知特性の特徴として、情報処理範囲が狭くなる、注意集中による見落としや勘違いが起こる、熟慮的思考が困難になる(二重過程理論)、家族のことが気になる、の4つを挙げ、特に家族とは事前に災害時について話し合い各自で避難できるよう備えておくことが大切というお話がありました。

【被災後の心理】被災後の心理的後遺症として、急性ストレス障害(ASD)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)について述べられ、被災者とのコミュニケーション時には被災者や被災地のことをまずは知り、被災者の心や気持ちに寄り添うことが重要であると解説されました。