1コマ目は法律学科政治学がご専門である井上先生にご登壇いただき、私たちの思考・行動の根本にある考え方「イデオロギー」について、それは復興政策に大きく影響しているという点についてお話いただきました。日頃身近に内在しているイデオロギーは、社会のさまざまな制度(家族、企業、国家、市場など)を動かす原理としての共通の了解が意識化され、体系的に表現されているということ。またイデオロギーそのものは原理的次元と心理的次元に分けられ、特に心理的次元は自覚しないままの言動が多いということにふれ、そのようなイデオロギーが復興政策にどう影響しているのかということがテーマでした。
“復興政策”という視点について「営み」「創造的復興」「被害リスク低減意識の政治的意味」という大きなカテゴリーの提示、それを統制する諸基準・東北というポジションと、そしてあるべき復興政策というものは存在するのか、潜在するイデオロギーをキーワードに異なる切り口で解説されました。時には笑いも交えあっという間の60分でした。