今回は大沼先生の「生業景(なりわいけい)※1を育て、結び付ける」というテーマで資源と災害の東北:自立と自律の生活構築をめざす活動、丸森シルク コアトリエ※2の試みについてのお話をいただきました。
現在宮城県内にある10軒の養蚕農家のうち5軒は丸森町にあり、古くからその技術が継承されています。地元にある素材を活かしてシルク和紙や地織りなどの価値を共有できる人を増やし、かつ技術を共有する機会を作っていくことの重要性を訴えられました。また台風19号の被害の様子も報告され、復旧作業を通じ、地域資源を地域の方々が考えることに目が向けられることで丸森コアトリエに関する可能性と、後継者などの課題を共有することの重要性についても言及がありました。
- ※1
- 地域の資源・環境や、関連する「つくり手」「つなぎ手」「ささえ手」および「つかい手」が相互に結びつき、「系(System)」をなしている状況を把握するための概念事象
- ※2
- 「共に」という意味の接頭語coをつけたアトリエ。 地域の生業として受け継がれてきたものづくりの"技"を持った高齢者と、新しい生業を育みたい地元の方々、地域外のデザイナーなど、多世代多様な人々が共に価値を生み出す現場を指す。