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復興人材育成教育

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令和元年度 県民講座 講座34「復興の生活構築学」

更新日:2019.11.26

日時
11月16日(土)14:45~15:45
担当講師
東北工業大学 安全安心生活デザイン学科 教授 大沼 正寛 先生
テーマ
「生業景を育て、結び付ける ②スレート千軒講の試み」
令和元年度 県民講座 講座34「復興の生活構築学」 令和元年度 県民講座 講座34「復興の生活構築学」

2コマ目は、引き続き大沼先生より生業景の2つ目の例として、地技と生業景と生業景遺産:天然スレート民家についてお話いただきました。

はじめに、3.11の震災後、2012年に復原された東京駅丸の内駅舎の屋根修復についてお話がありました。建設当時使用されたスレート瓦は天然素材・手加工によるもので、当初使われた32万枚のスレートは宮城県石巻市雄勝町産のものでした。今回の修復の一部には雄勝のみならず宮城県北から岩手県南のいわゆる陸前地方のものが用いられましたが(雄勝産は主に東京駅屋根ドーム部分に使用)、東日本大震災の津波の影響で保管・洗浄されていた貴重な資材が流出・散逸するなどの大きな被害のなか、宮城の屋根工事関係者は被災しながらも必死で一枚一枚集め、作業にあたった人々の多くの思いが結集した復興への象徴ともなりました。また、このようなスレート瓦は明治期以降、民家でも生かされてきました(現在も少数のスレート葺民家が残されております)。現在のスレート葺瓦の調査研究事業である「スレート千軒講」という取り組みやワークショップで陸前地区のスレート屋根について一緒に調査されておるノーマルデザインアソシエイツ主宰の阿部 正 氏からも活動についてご挨拶をいただきました。

3.11後の活動(地域産業従事者や研究機関等)を通じ、大沼正寛教授が提唱する「生業景」という視点から地域の中で、資源・技術・暮らし・食・生業を連関させる考え方について、理解を深めることができました。またこのような視点をもつことが生業と地域の持続可能な育成につながることを学ぶことができました。