復興人材育成教育

今年度はコロナ禍の影響もあり県民講座は全てWeb講座となりました。
第1回目の講座は東北工業大学元学長・名誉教授である沢田康次先生の講義となります。
3.11から10年を迎えようとしている今、復興は成し遂げられたのか？という問いに対し、自治体が行ったアンケート、また人口の推移のデータを元に、名取市閖上の事例を検証され、町の復興と共にコミュニティーの再生の難しさや心のケアについて紹介されました。そして福島の復興を一例に、大震災と原子炉災害、そこに今、新型コロナウイルス感染症の脅威が加わり、10年の間に3大災害すべてを経験することになり、「核とウイルス」という現状を抱えるに至り、復興が困難になる等、人類に対して扱いに苦慮する対象と向き合わなければならない時代に入っていると解説されました。受講生からは福島の復興の難しさに触れられる方も多く、「福島の復興なくして東日本大震災の復興なし」と明言されている方もおられました。また昨今の新型コロナウイルス感染症により、東日本大震災や台風19号の被災地が置き去りにされている現状があることを危惧している方もおりました。非常に反響の大きい講義となりました。最後に、復興には各自あるいは地域のアイデンティティの構築が何より重要であるという視点に触れ、復興の在り方について改めて我々に問いかけがありました。