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復興人材育成教育

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令和2年度 県民講座 講座4「復興の科学技術」

更新日:2020.08.07

日時
6月27日(土)14:45~15:45
担当講師
東北大学 災害科学国際研究所 所長・災害リスク研究部門 教授 今村 文彦 先生
テーマ
「東日本大震災後の災害科学分野の発展と課題」

今村先生の2講座目は、先生が所長を務められておられる災害科学国際研究所の発足と現在の紹介から始まりました。
【災害科学】とは
①実態解明
②予測・評価
③経験から、災害対応・対策への貢献、事前対策、災害の発生被害の波及、緊急対応、復旧、将来への備えを構築すること
これらを一連の災害対応サイクルととらえ、それぞれのプロセスにおける事象を解明し、その教訓を一般化・統合化することであり、
【災害対応サイクル】とは
災害発生(初期対応:リアルタイム被害把握と臨機応変な初動対応など)
→対応力(復旧:救助・医療・福祉・物資輸送等の連携システムなど)
→回復力(復興・再生:合意形成に基づくコミュニティの再生・コンパクトシティ化など)
→防衛力(予防・防災平常期:多面的なリスク評価・対策の見える化による着実な災害リスク低減など)
ということを図で示されました。
また後半は、文理融合型による災害研究の展開として
〇過去の災害事象を知る
〇過去の災害(被害、影響)、復旧・復興状況を知る
〇先人の知恵を知る
を掲げ、「慶長地震津波からの復興イノベーション」の大切さ、特に風化の低下を防ぐ伝承モデルについて「経験から教訓へ、話す、かたる から伝えるへ」という現在の活動事例を紹介されました。
最後は課題の再整理ということで、災害対応サイクルの認識として、復興過程は次への備えのフェーズ(災間を生きる)であること、東日本大震災の今は、南海トラフの次と類似(被災地と未災地)していること、被災地域の今の課題は、少子高齢化社会での新しい地域の模索、被災地とそれ以外の地域との関係、さらにこれからは「記憶と教訓の風化」について注視していかなければならないということで講義は締めくくられました。受講生の方々も多くの気づきがあったかと思います。

令和2年度 県民講座 講座4「復興の科学技術」 令和2年度 県民講座 講座4「復興の科学技術」