活動報告 活動報告
復興人材育成教育

復興人材育成教育

令和2年度 県民講座 講座9「復興の社会学」

更新日:2020.08.19

日時
8月1日(土)13:30~14:30
担当講師
宮城教育大学 防災教育研修機構 副機構長・准教授 小田 隆史 先生
テーマ
「地域防災のための地理情報活用」

自然災害の構造(災害のメカニズム)は自然現象である誘因(ハザード)に素因(地域の条件)が加わって被害の有無・大小が変わってくるという内容から始まりました。

自然災害大国・日本の災害対策の進化は戦後科学技術の多大な貢献によるもので、特に毎年のように数千人規模の犠牲者がでていた人数を抑制できていた事実と、一方で自然災害で犠牲になる人の9割は発展途上国に居住、その多くがアジア太平洋地域であるということを防災白書のグラフを示しながら解説されました。「災害は脆く弱い人々地域を襲う」残念ながら世界で発生する自然災害の犠牲となるのは、国の経済力があるか無しかに比例してしまうということです。

また近年自然現象の激化が表れてきています。起こりうると言われている南海トラフ巨大地震や都心南部直下地震、またここ数年の地球温暖化等による巨大台風や豪雨による犠牲という「新たなステージ」への対応の必要性が出てきております。「自分の命は、自らで守る」ことを主軸とした防災対策への転換、公助の限界を市民に認識させ、自助・共助の重要性、学校教育を通じた啓発と成人の意識改革が不可欠-住民の「主体性」と弱者への包摂が必要であるということを訴えていくためにも、自分たちが住んでいる身近な地域の昔と今についてハザードを理解し災害に備えるということで、いくつか役立つ地図ウェブサイトを紹介していただきました。

防災に関する情報を個人でも積極的に入手し、その情報を理解し判断、そして行動できるように日頃から備えていくことが重要であると改めて感じられる講義でした。

令和2年度 県民講座 講座9「復興の社会学」 令和2年度 県民講座 講座9「復興の社会学」