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復興人材育成教育

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令和2年度 県民講座 講座12「復興の科学技術」

更新日:2020.10.09

日時
8月29日(土) 13:30~14:30
担当講師
東北工業大学 建築学部 建築学科 教授 薛 松濤 先生
テーマ
「構造ヘルスモニタリングシステムの役割と実証について」

建物の耐震・制震・免震について、その歴史から話が始まりました。
耐震工学は倒れた建物から学習し、倒れない建物を建設するという繰り返しでした。
1906年4月18日の500人の死者を出したサンフランシスコ地震後には日本でS造、RC造の建築物を建設されるようになりました。
1923年9月1日の約10万人の死者を出した関東大震災では、ラーメン構造のビルは全壊、しかし耐震壁を有するビルは無被害でした。
1964年6月16日の新潟地震では液状化による被害が多く、地盤の耐震及び杭が重視されるようになりました。
1978年の宮城沖地震ではブロック塀などの下敷きになり18名の死者が出ました。この地震の建物被害が甚大であったために3年後の1981年に改正された建築基準法では、建築物の耐震基準が強化され「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7程度の大規模地震でも倒壊は免れる」強さとすることを義務づけました。
そもそも1000年前には中国で基礎免震の考えがあり、1800年代に再建された北京にある紫禁城の中枢部分の地下5~6メートルには、煮たもち米と石灰を混ぜた層があり、免震を意識していたようです。
そして地震後の建物の構造性能をどのように検証するか、例えばひび割れが生じた建物が使えるかどうかの分析のために、設置した加速度センサーのデータを自動解析により、地震直後に当該構造の安全性を表示する「構造ヘルスモニタリングシステム(SHM)」が登場しました。日本で公開されている構造ヘルスモニタリングシステムは7棟だけで、その中の1棟は東北工業大学の10号館にあります。このシステムを利用することにより、地震の直後に建物に戻れるかどうか、2分後に分かるそうです。
これらがぜひ集合住宅に広く普及してもらいたいという感想もいただくなど、耐震工学の歴史と共に非常に興味深い講義でした。

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