東北の経済活動産業構成の変化とその特徴として、地域GDPと建設投資の観点から戦後の地域経済政策の歴史、「産業クラスター計画」と「知的クラスター政策」の東北地方の事例について触れられました。また、2008年から震災を経ての東北地方の産業構造について分析され、その中で特に震災の翌年の2012年は建設に関する公共投資が宮城・岩手・福島で飛躍的に多いが、倒産件数は震災時よりはむしろ2008年のリーマンショックの年が格段に多かったことをグラフを元に説明されました。
後半はエネルギーの面からみた震災前と震災後の在り方、特に再生可能エネルギーについて紹介されております。自治体の再生可能エネルギー導入については茨城県の太陽光エネルギーが全国トップですが、環境経済学の観点からは「森を切って太陽光発電を作ったから地球温暖化に貢献しているだろう」というのは本当にそうなのか?という疑問はぬぐえないと述べられました。福島県と北海道に関しては太陽光以外に風力も取り入れられており、1つのエネルギー源に頼らずバランスよく考えていくのが今後の目指すべき再生可能エネルギーの在り方と提案されました。国・地方を問わず「エネルギー自給率の向上」が課題1つであり、それが持続可能な地域内経済の次に向かっていく道ではないのかという結論でした。
産業構造とエネルギーについてお話されましたが「“知ってもらう”ということが重要で“知らないとだまされる”そして理解するというのはその次。ぜひ経済学も知って理解して欲しい」という言葉を受講生に送られておりました。