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復興人材育成教育

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令和2年度 県民講座 講座16「復興の生活構築学」

更新日:2020.10.13

日時
9月5日(土) 14:45~15:45
担当講師
宮城大学 事業構想学部 教授・理事兼副学長 風見 正三 先生
テーマ
「コミュニティ創成に向けた社会改革事業の在り方」

先生のこれまでの活動や著書などの自己紹介と震災当日の想いから講義が始まりました。先生が所属しておられる日本計画行政学会の復興構想会議の7つの原則の中で、「地域・コミュニティ主体の復興」「東北の潜在力の活用、経済社会の可能性を追求」「地域の強い絆、災害に強いまち、自然エネルギー活用型の地域づくり」「国民全体の連帯と分かち合いによる復興」の4つを見ると日本が東北の復興にどう向かっていったかということがわかります。震災復興のスキーム(基本構想)は短期的にはくらしとしごとの確保、中期的にはもう一度社会基盤を作り直すために医療・福祉・情報・産業・地域などがどのように結びついていくか、そして長期的なものとして行きついたのは「地域主体の地域循環型産業の創成」でした。その取り組みとして東松島市「森の学校プロジェクト」の事例を紹介されました。

森の学校プロジェクトは地球と共に生きる永続的な暮らしとしてひとつのスケッチから始まりました。震災復興としての学校の再建として自然と共に生きる学校・地域と共に生きる学校、単に教育機関を作るということだけではなく、コミュニティ全体の拠点を作るこれがコミュニティデザインそのものであります。森の学校は子どもたちの意見を取り入れ子どもたちが本当に作りたい学校を作っていきました。自然の地形との共存で建物のデザインも決め、森と共に育つこどもたちがいる学校を建てるということは1つのチャレンジでもありました。子どもたちが元気に学校生活を送れるのはいかに学校の環境施設が大事であるかを示し、そのプロセスが評価され宮野森小学校は2017年にグッドデザイン賞を受賞されました。

最後にまとめとして、アダムスミスの思想の再発見「国富論:Wealth of Nation」を紹介され、もう一度経済学の原点と日本社会の再構築「真の豊かさ」の追求と、持続可能な未来を目指して「自然・人間・コミュニティの再生」「コモンズデザインとしてのコミュニティ創成」地域の再生はつながりの再構築でもありコモンズの再構築でもある地域資源力×地域自治力×地域経営力がこれからの社会改革事業だと提案されております。先生が好きな言葉「次にどんな夢を描けるか、それがいつも重要だ」(スティーブジョブス名語録‘人生に革命を起こす96の言葉より’)を語られて講義を締めくくられました。

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