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復興人材育成教育

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令和2年度 県民講座 講座19「復興の生活構築学」

更新日:2020.10.13

日時
9月19日(土) 16:00~17:00
 
復興大学事務局より
テーマ
「復興大学で考える【伝承】とは」

3講座目は復興大学事務局がファシリテーターとなり、前半は国土交通省東北地方整備局企画部環境調整官である佐野 智樹様から「震災伝承の取り組みについて」、後半は東北工業大学ライフデザイン学部 教授 中島 敏先生の「仙台市荒浜の復興の現状—危険区域指定から9年半−」というテーマでお話いただきました。

「震災伝承の取り組みについて」
日本の国土面積は世界の0.25%にも関わらず、世界で発生するマグニチュード6以上の地震の22.9%は我が国周辺で起こっています。世界リスク報告書でも自然災害ワーストでは4位となっておりますが、一方で対応能力ランキングではワースト158位となっており、災害が多い国ではありますがその対応能力は非常に高い国ということになります。
被災地の慰霊碑モニュメントは災害が発生した際の教訓となっています。これらを整備し震災伝承を継続するため、2018年7月に「震災伝承ネットワーク協議会」が発足し、取組には「震災伝承ネットワークの運営・伝承ロード形成」「防災プログラムの基盤形成と開発」「復興に向けた地方創生・地元支援」の3つの柱があります。さらに2019年8月には「3.11伝承ロード推進機構」が発足されました。
登録された震災伝承施設は、目的に応じて訪問しやすいよう3つに分類され、点在する遺構等をネットワークで結ぶことで防災力の向上や地域の活性化を目標としています。他の取組としては連携イベントでの拡散、国土地理院との連携、自然災害伝承碑の活用、国営追悼・祈念施設の整備があります。
『 “Tunami”が世界の共通語になっているが“Densho”という言葉も世界の共通語になるよう取り組んでいきたい。「教訓が、いのちを救う。」これが東北に与えられたミッションであり、陸前高田の津波伝承館を是非訪れて欲しい』と締めくくられました。

「仙台市荒浜の復興の現状—危険区域指定から9年半−」
中島教授の生まれ故郷である荒浜地区は約650世帯2,100人が住んでいた町でしたが、震災で死者189名、家屋は9割以上が流出してしまいました。震災後明暗を分けることになったのは、隣の名取市の閖上地区は6m嵩上げをして人が住めるようにしたのに対し、仙台市荒浜地区は危険区域に指定された為人々が住めない所となったということです。中島先生を含む地元の人々は「荒浜再生の会」を結成し仙台市への公開質問、市長との話し合い、イベントやフォーラムへの参加などの活動から「現地再建」「新たなにぎわいづくり」を目標にしてきました
が、残念ながら2018年6月30日をもって解散となってしまいました。仙台市の政策が、のちに市民にとって納得のいくものであった、というものになって欲しいと願い話を終えられました。

令和2年度 県民講座 講座19「復興の生活構築学」 令和2年度 県民講座 講座19「復興の生活構築学」