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復興人材育成教育

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令和2年度 県民講座 講座20「復興の生活構築学」

更新日:2020.10.13

日時
9月26日(土) 13:30~14:30
担当講師
武蔵野美術大学 教養文化・学芸員課程 教授 加藤 幸治 先生
テーマ
「復興キュレーション−ミュージアム思考からの復興まちづくり−」

東日本大震災では博物館コレクションも被災し、文化財レスキューが宮城県内だけでも50か所で行われました。
その一時保管場所として指定された東北学院大学博物館へは、石巻市鮎川収蔵庫にある文化財資料4,000点と考古資料・地学平箱60箱が運び込まれました。
東北学院大学で教鞭を取っておられた加藤先生は学生を指揮されており、人海戦術で状況把握、クリーニング作業、一次洗浄、経過記録と脱塩・防錆・殺虫処理まで行った当時の作業について事例を紹介しながら解説されました。
講義の後半は、牡鹿半島での復興町作りと社会関与型調査として「文化におけるより良い復興」「復興キュレーション」「牡鹿半島の民族誌」「地域住民による歴史実践」を掲げ、その活動の様子を報告されました。
「復興キュレーション」とは、復興過程における地元住民と協働の博物館活動のことを指し、地域の魅力再発見や地域学習、文化創造活動を促します。
具体事例としてあげられた牡鹿半島ビジターセンターでのコラボレーションと共用ラボによる研究活動の場づくりでは、地学・動物学などいろいろな分野の成果を持ち込んで展示できるようにしたこと、おしかホエールランドでは鯨との新しい関わり方を構築していくことが、展示としての大きなテーマとなることも述べられました。詳しくは先生の著書の「復興キュレーション」(社会評論社)で紹介されております。
最後に「ぜひ牡鹿半島を訪ねてください」というメッセージで締めくくられました。

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